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Random Thoughts on BJJ, Pro Wrestling, MMA, etc.
Saturday, January 10, 2004
続き(無駄なまでに「ハーフ」にこだわってみる)
ところで俺、このハーフガード(下から)の技術ってのは、けっこう総合の試合を見るための着目点になるかなって思う。ハーフからの攻め方ってたぶん、柔術と柔道を分ける大きな違いだし、柔術の中でもオールドスクールとニュースクールを分ける指標になる。で、寝技を自分でやらない人も、そのへんの知識を持っていると、だいぶ格闘技を見る際の楽しみ方が深くなるよーな気がする(でもたぶん今はまだ、非寝技実践者でこのテの知識がある人はそんなに多くはないんじゃないかな?)。ので以下、自分の経験を交えてちょっと基本的な解説を試みてみることにする。(「誰でも知ってる当たり前のこと書きやがって」とか、「大嘘書きやがって」と思った人いたらごめん。訂正歓迎)
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俺の知る限り、少なくとも2000年以降に出された柔術教則Vでハーフを扱うものは、みんなそろったよーに、共通したいくつかの基本戦略を教えている。
・背中を平らにマットにつけず、横向きになること。
・外側の自分の足(相手の股間にはさまってないほうの足。横向きになる際は、こっちが上側に来るよーにする)と、同じ側の自分の腕で、相手の脇を差すこと。
・首を相手に制されないよーにすること(相手の胸にぴったりつけるとか、自分の、脇を差してないほうの腕で守るとか)。
もちろんこーじゃない攻め方もいっぱいあるんだけど(エディ・ブラボーなんか、これでないハーフの形からも無限のヴァリエーションを持ってるよーだし)、一番の基本はこの形。マーシオ・フェイトーザのVも、ジャンジャック・マチャドのDVDも、マリオ・スペーヒーのVも、ハーフガードの改革者と称されるゴードのVでもみんなこう教えてる。ここから相手の足の間に手を入れて「もぐる」とか、バックを狙うとか、片足タックルみたいな形にもってくとかいろいろできる。また、ここから外側(上側)の足を折り曲げて相手との間に膝を入れて利かせることで、各種スイープや足関節へつなげることも可能。ってことは逆に言えば、上にいる選手は、1)相手の背中をマットにつけさせる、2)相手の外側の足と同じ側の脇を制する 3)相手の首を制する の三つをポイントにして抑えればいいってことになる(全部やる必要はないけど)。
で、上記のことは、ここ数年で柔術をはじめた人には当然の常識かもしれない。今や何処でも教えてるだろーから(技術の広まりの速い日本なら特に)。でもこっちの、技術体系のちょっと古い道場とかではそーじゃなかったりするんだな。例えばうちの道場(泣笑)。うちのせんせが教えるハーフ下からの攻撃ってのは、そのほぼ全部がべったり背中をつけた状態からのもの(スイープやフルガード戻しやバック取り)。上で書いた「横向き脇指しハーフ」からのテクは皆無。だから俺は、上で挙げた他の黒帯たちのVをはじめて観た時にはかなり驚いた(ついでに言えば、俺の見る限り、柔道でもこの「横向き脇指しハーフ」テクは全然メジャーなモノではないと思う。エリオ派も、第三世代含めてほとんどこれ系を使わないはず。対策は十二分に知ってるみたいだけど)。
で、その種のVでもよく言われることなんだけど、この「横向き脇差しハーフ」ってのは、どーもこの10年くらいに競技柔術の中で(上記のゴードなどによって)改革・発展してきた新しいテクみたい。実際近年の競技柔術の黒帯マッチを見ると、この「横向き脇差しハーフ」からのテクはまさに猛威をふるっている。ギなしのサブミッションレスリングでも同じ。 (・・・ってことはやっぱ、うちのせんせのテクは「古い」ってことで。本人の前では絶対言えないが。でもそのへんの茶帯あたりが脇差しハーフとかもぐりをいくら仕掛けてきても、せんせは全部地力と基本技で潰しちゃうのも事実)
ただ、この「横向き脇差しハーフ」は基本的に競技柔術で発展してきたテクであって、VTで使う場合はだいぶ話が違ってくるはず(俺は打撃ありの寝技はほとんど経験がないから、あまり確信を持ってハッタリかませない)。ハーフからの多くの「もぐり系」の技をやると、顔ががら空きになるからパンチのえじきりやすい。上からのパンチを防ぐには、背中をマットにくっつけてでも、相手に抱きついて距離を縮めたほうがいい、とも言えるかも。でもノゲイラ等BTT勢などはさらに研究してるよーで、「殴られる前に相手の体勢を崩しちゃう」的なやり方を使ったりして、このテのテクをNHBでも有効利用している・・・
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さて、これらのことを踏まえて今回の男祭りの試合を見てみると、けっこういろいろ分かると思うんだがどーか? 例えば
・試合開始直後に近藤を迅速のもぐりでひっくり返したマリオとか、さかんに小路相手にもぐりを試みていたニンジャとかは、どっちも「殴られる前に相手のバランスを崩す」という先端系の技をアグレッシヴに仕掛けていたことが分かる(マリオのは脇を差さない形で潜るという点でも応用技)。
・ホイスも「横向け脇差し」の体勢を一瞬使ったけど、吉田の万全のバランスに防がれガードに戻した。逆にホイスの下になった吉田は、「背中をぴったりつけたハーフでの二重がらみ」という一番古い型からのソデグルマしか狙わず、やがて足を抜かれてマウントを許した。このへんにも「柔道吉田」と「元来のエリオ系柔術体系を飛び出すホイス」の対照が見えた。
・ミノワは一度、横向きハーフから膝を入れての足関節を狙ったけど防がれた。それ以外のハーフの体勢では、ほぼ毎回ランペイジが磐石のポジショニングで常にミノワの背中を平らにマットに制していた(ちなみに今回のランペイジのハーフ上でのポジショニングは柔術的に見てもかなりイケてた。柔術における「ハーフの裁き方」Vの模範になるよーな体勢を3種類くらい見せてた。これは相当柔術もやってると考えられる)。で、さらにそこから有効な打撃を打ち込むことに成功してるんだから、柔術を超えたNHB用の最新ポジショニングもやりこんでいるんだと思う。
・ついでに、ジャイアントシウバのグラウンドは論外(素人なんだから当たり前だけど)。下から脇を制されて、体重の掛け方も間違って、あっさりバックを許す(ハーフと言うよりはバタフライみたいな体勢だったけど、あの状況ならまあ同じ)。
てな感じかな。え、こんな程度のことが分かってもあんま意味ないって? ま、結局こんなに俺が妙なこだわりをハーフに持つのは、俺個人が「横向き脇差しハーフ」をおしえてくれないせんせのもとで柔術をやって、試合でいろいろくやしい思いをして、別のせんせの教則Vを自腹で買って研究することで何とか状況を打開してきたよーな人間だからなんだよな。あ、こんなふーに書くと、「今のコイツはさぞかしハーフから多彩な技が出せるんだろう」と思う人がいるかも知れん。ぜんぜんそんなことないです。マジでまだ全然ダメ。もぐり一つまともに出来ません。もっとも、うちの道場にはいまだに「横向き脇差しハーフ」の観念すらない状態なので、俺は懸命にコレ系の技術の普及に励んでます(だってそーしないと、みんな試合で勝てなくてくやしい思いをし続けることになるからね)。
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俺の知る限り、少なくとも2000年以降に出された柔術教則Vでハーフを扱うものは、みんなそろったよーに、共通したいくつかの基本戦略を教えている。
・背中を平らにマットにつけず、横向きになること。
・外側の自分の足(相手の股間にはさまってないほうの足。横向きになる際は、こっちが上側に来るよーにする)と、同じ側の自分の腕で、相手の脇を差すこと。
・首を相手に制されないよーにすること(相手の胸にぴったりつけるとか、自分の、脇を差してないほうの腕で守るとか)。
もちろんこーじゃない攻め方もいっぱいあるんだけど(エディ・ブラボーなんか、これでないハーフの形からも無限のヴァリエーションを持ってるよーだし)、一番の基本はこの形。マーシオ・フェイトーザのVも、ジャンジャック・マチャドのDVDも、マリオ・スペーヒーのVも、ハーフガードの改革者と称されるゴードのVでもみんなこう教えてる。ここから相手の足の間に手を入れて「もぐる」とか、バックを狙うとか、片足タックルみたいな形にもってくとかいろいろできる。また、ここから外側(上側)の足を折り曲げて相手との間に膝を入れて利かせることで、各種スイープや足関節へつなげることも可能。ってことは逆に言えば、上にいる選手は、1)相手の背中をマットにつけさせる、2)相手の外側の足と同じ側の脇を制する 3)相手の首を制する の三つをポイントにして抑えればいいってことになる(全部やる必要はないけど)。
で、上記のことは、ここ数年で柔術をはじめた人には当然の常識かもしれない。今や何処でも教えてるだろーから(技術の広まりの速い日本なら特に)。でもこっちの、技術体系のちょっと古い道場とかではそーじゃなかったりするんだな。例えばうちの道場(泣笑)。うちのせんせが教えるハーフ下からの攻撃ってのは、そのほぼ全部がべったり背中をつけた状態からのもの(スイープやフルガード戻しやバック取り)。上で書いた「横向き脇指しハーフ」からのテクは皆無。だから俺は、上で挙げた他の黒帯たちのVをはじめて観た時にはかなり驚いた(ついでに言えば、俺の見る限り、柔道でもこの「横向き脇指しハーフ」テクは全然メジャーなモノではないと思う。エリオ派も、第三世代含めてほとんどこれ系を使わないはず。対策は十二分に知ってるみたいだけど)。
で、その種のVでもよく言われることなんだけど、この「横向き脇差しハーフ」ってのは、どーもこの10年くらいに競技柔術の中で(上記のゴードなどによって)改革・発展してきた新しいテクみたい。実際近年の競技柔術の黒帯マッチを見ると、この「横向き脇差しハーフ」からのテクはまさに猛威をふるっている。ギなしのサブミッションレスリングでも同じ。 (・・・ってことはやっぱ、うちのせんせのテクは「古い」ってことで。本人の前では絶対言えないが。でもそのへんの茶帯あたりが脇差しハーフとかもぐりをいくら仕掛けてきても、せんせは全部地力と基本技で潰しちゃうのも事実)
ただ、この「横向き脇差しハーフ」は基本的に競技柔術で発展してきたテクであって、VTで使う場合はだいぶ話が違ってくるはず(俺は打撃ありの寝技はほとんど経験がないから、あまり確信を持ってハッタリかませない)。ハーフからの多くの「もぐり系」の技をやると、顔ががら空きになるからパンチのえじきりやすい。上からのパンチを防ぐには、背中をマットにくっつけてでも、相手に抱きついて距離を縮めたほうがいい、とも言えるかも。でもノゲイラ等BTT勢などはさらに研究してるよーで、「殴られる前に相手の体勢を崩しちゃう」的なやり方を使ったりして、このテのテクをNHBでも有効利用している・・・
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さて、これらのことを踏まえて今回の男祭りの試合を見てみると、けっこういろいろ分かると思うんだがどーか? 例えば
・試合開始直後に近藤を迅速のもぐりでひっくり返したマリオとか、さかんに小路相手にもぐりを試みていたニンジャとかは、どっちも「殴られる前に相手のバランスを崩す」という先端系の技をアグレッシヴに仕掛けていたことが分かる(マリオのは脇を差さない形で潜るという点でも応用技)。
・ホイスも「横向け脇差し」の体勢を一瞬使ったけど、吉田の万全のバランスに防がれガードに戻した。逆にホイスの下になった吉田は、「背中をぴったりつけたハーフでの二重がらみ」という一番古い型からのソデグルマしか狙わず、やがて足を抜かれてマウントを許した。このへんにも「柔道吉田」と「元来のエリオ系柔術体系を飛び出すホイス」の対照が見えた。
・ミノワは一度、横向きハーフから膝を入れての足関節を狙ったけど防がれた。それ以外のハーフの体勢では、ほぼ毎回ランペイジが磐石のポジショニングで常にミノワの背中を平らにマットに制していた(ちなみに今回のランペイジのハーフ上でのポジショニングは柔術的に見てもかなりイケてた。柔術における「ハーフの裁き方」Vの模範になるよーな体勢を3種類くらい見せてた。これは相当柔術もやってると考えられる)。で、さらにそこから有効な打撃を打ち込むことに成功してるんだから、柔術を超えたNHB用の最新ポジショニングもやりこんでいるんだと思う。
・ついでに、ジャイアントシウバのグラウンドは論外(素人なんだから当たり前だけど)。下から脇を制されて、体重の掛け方も間違って、あっさりバックを許す(ハーフと言うよりはバタフライみたいな体勢だったけど、あの状況ならまあ同じ)。
てな感じかな。え、こんな程度のことが分かってもあんま意味ないって? ま、結局こんなに俺が妙なこだわりをハーフに持つのは、俺個人が「横向き脇差しハーフ」をおしえてくれないせんせのもとで柔術をやって、試合でいろいろくやしい思いをして、別のせんせの教則Vを自腹で買って研究することで何とか状況を打開してきたよーな人間だからなんだよな。あ、こんなふーに書くと、「今のコイツはさぞかしハーフから多彩な技が出せるんだろう」と思う人がいるかも知れん。ぜんぜんそんなことないです。マジでまだ全然ダメ。もぐり一つまともに出来ません。もっとも、うちの道場にはいまだに「横向き脇差しハーフ」の観念すらない状態なので、俺は懸命にコレ系の技術の普及に励んでます(だってそーしないと、みんな試合で勝てなくてくやしい思いをし続けることになるからね)。