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Random Thoughts on BJJ, Pro Wrestling, MMA, etc.
Wednesday, June 08, 2005
マーシオ@アブダビ
あの、まったく更新しないですみませんでした。お気づきの向きもあると思うが、数ヶ月前からゴング格闘技のお手伝いをさせてもらっていて(クレジットは別の名前になってます。まー深くはつっこまないでね)、ネタ保存の必要や多忙もあり、こーなってしまいました。このお手伝いに関しては、今までほとんど我々地元民しか知らなかった南カリフォルニア格闘技シーンの宝物達の存在を、少しでも多くの日本の方に伝えることができればこれ幸い、と思ってやらせていただいとります。
で、先月末に地元南カリフォルニアで行われたアブダビ大会の取材も手伝わせて頂いて、それはこのたび発売された「ゴング・グラップルvol2」の中身に反映していると思うので、よければご購入のほどを。アブダビ記事以外でも、マニア的にはかなり濃ゆい内容になってるんじゃないかと。いつか南カリフォルニアで修行してみたいと思っている方は、ぜひこの号の道場マップを保存してくだされ(これ、自分含め記者たちが実際に道場ひとつひとつに足を運び、どういう環境でどういう練習が行われているかを確かめた上で書かれてます)。
ーー
宣伝はそのくらいにして、今回はそこでもあまり扱えなかった、マーシオ・フェイトーザの戦いについてちょいと書いてみようかと。いや、俺はこの人の友人でもないし、インサイド情報とかも別に持ってないんですが、個人的に思い入れがある。彼は自分が日本でお世話になったグレイシー・バッハ東京の植野先生の師匠でもあるし、何より俺はこのマーシオの教則Vからめちゃくちゃ多くを学んだ。紫帯を取れたのはこのVのおかげだったと今でも思っている。マーシオと言えば「上を取って膠着」というイメージが強いし、実際そういう試合が多い。でも当然下からの技術も完璧にマスターしている人であることは、この教則Vにおける、彼の簡潔かつ最大効率な技の説明からも容易に想像できる。
さて、そのマーシオ、今回は早くから66キロ以下級への参加が発表されてた。「(76キロ以下級の)ガルシアやジャンジャック(当初は参加予定だった)から逃げたんだろう」なんて声もあったけど、本人によると、単に同じバッハ系のヘンゾが76キロ以下に出るから、自分が減量することにした、とのこと。今回のアブダビ、仲間同士によるワークが厳禁だから、以前ヘンゾと当たった時のような試合はできないというわけでしょ。
この減量、自分が事前に話したアメリカ人選手達が、口を揃えて「レオジーニョは手強いけど、マーシオは絶対に減量で弱ってるはずだから怖くない」と言うほど無茶な話だと思われたんだが、大会前日の計量で登場したマーシオの体は、なんちゅうか超完璧。周到な減量メニュ−を二ヶ月間完璧に実行したとか。さすがマシン。エディ&ハビの欠場、レオの明らかな体調不良もあって、一気に優勝候補筆頭へ。
大会第一日。マーシオ、一回戦はテイクダウンで危なげなく勝利。どうせ勝つと思ってたんでよく見てなかったんだけど、「点を取ったらとにかく抑える」というマーシオ戦法が炸裂してた模様。(以下の試合の記述もかなりうろ覚えなんで、詳しくは来月出るDVDでも見てね)
二回戦。こないだのKOTCで阿部選手に勝って新王者となったスーパースタミナレスラー、ユライヤ・フェイバーと。さすがにスタンドレスリングでは分が悪そうだったけど、引き込みスイープ、シットガードからの足絡め、ハーフからの攻撃等で積極的にしかけ、やがてバックを奪ってチョーク。ユライヤの身体能力ってKIDみたいなもんなんで、それを柔術技術で翻弄するのはやはりすごい。
準決勝。最近米国にやってきて、ヒクソン道場に所属してるハニ・ヤヒーラと。彼はプルーマでも戦えるくらいのちっちゃくて若い選手なんだけど、2年前のアブダビ予選でパイシャオンに勝って優勝してる(その後ジャングルファイトではリベンジされたが)。ちなみにこのヤヒーラは、試合態度にやや問題があったり(こないだのジェフ・グローバーとの試合では「ジェフが握手の手を差し伸べているところにいきなりタックル」で点を奪って勝ったし、今回のアブダビの2回戦でヴァグネイに疑惑の判定で勝った後も、ヴァグネイを指差して笑ったりした)、ヒクソンが常にセコンドについてレフを威圧してるように見えたり、あと単にすごく強いので、西海岸柔術界の一部では批判の的になりがちなとこもある。なんにしても今のところ、ハニ・ヤヒーラ&クロン・グレイシーの「ヒクソン道場悪ガキヒールコンビ」が、誰もに好かれるジェフ・グローバー&ビル・クーパーの「パラゴン新世代ベビーフェイス軍」を押して・・・やべ、なんでもプロレスにしてしまう癖が。
それはともかく、マーシオvsヤヒーラの準決勝は延長にもつれ、延々と続くテイクダウンバトルに。体格で勝るマーシオが、粘り強く何度もシングルレッグを仕掛けていくんだけど、「3秒間相手の背中を付けてコントロールしないとテイクダウンは認められず」というルールを最大限に使ったヤヒーラが、体勢を崩されつつもことごとく亀になって逃れる(ルールの穴で、3秒間背中をつけることなく、いったん亀になってから、自らガードに入るとポイントは取られない)。このヤヒーラもまた、異様なくらい粘り強い。
この試合に関しては、マーシオは同じ足へ同じ形のタックルを繰り返しすぎた感じ。一気に倒すようなタックルじゃなく、足にしがみついてから、じっくり倒してゆくようなやつだから(さすがに入るタイミングは素晴らしいんだけど)、ヤヒーラみたいなタイプに粘られ続けると、いかにも消耗度が大きそうに見える(見えるだけ。俺テイクダウン自体やらないからよく分からない)。3秒ルールの特殊さも裏目に出たか。
延々と延長が続くうち、なんかの拍子でマーシオはヤヒーラの下からのギロチンに捕まってしまう。そうとうキツかったんだろう。腰を浮かせてスペースをつくり、頭と両足で3点立ちになって、相手の足を押し下げてパスガードすることで逃れようとするマーシオ。そこですかさずヤヒーラが体勢を入れ替えて上に。ギロチンから逃れたかったが故に、完璧だったマーシオのバランスが崩れた・・・。マーシオはなんとか亀になるも、ヤヒーラに2点(後にマーシオは不満を述べてた)。そのままヤヒーラが「逆マーシオ戦法」=「インサイドガードでの押さえつけ」で試合終了。果てしない消耗戦の末の、あのスイープの瞬間。精密機械が一瞬狂ったとこを見た気分だった。
翌日の3位決定戦。相手は当初完全にノーマークだったカナダ人、マーシオと同じような体型(いや、もっとひょろ長か)のロブ・ディセンソ。5分経過してポイントが入るようになってから、マーシオはタックルで上に。このままインサイドガードで抑える必殺パターンモードに入って、3位確保かと思いきや、まさかのヒップスローでディセンソがマウント奪取。マーシオは脱出するものの4−2。やべえ。
いきなりアグレッシブモードに戻ったマーシオ(笑)、テイクダウンを何度も仕掛け、粘るディセンソを倒し、おさえ込んで同点。さらにあえて(?)スタンドにもどって、もう一度タックルに入って、またも組み伏せて逆転。そしてそのままインサイドガードで渾身の膠着。すごい顔で必死でおさえてた。ミもフタもない勝ち狙い。(悪)名高きマーシオの膠着だけど、今回ばかりは俺の心に響いた。試合終了。マシンじゃなくて人間マーシオさん、三位おめでとうごさいます。
試合後のコメント取り。準決勝の判定には不服そうだったものの、さわやかに話してくれたマーシオ。当面の目標は、試合に出ることよりも、新しく作ったグレイシーバッハUSAを軌道に乗せることだとか。この時、自分がどれだけマーシオの教則ヴィデオから恩恵を受けているかを伝えることができたことが、個人的にアブダビ大会のハイライトだったりする。バッハUSAがいい道場になることは、別に俺が祈らなくてもすでに約束されていることだろう。
ーー
今後も(頻度はがくっと落ちるかもしれんが)出来る時には更新するつもりなので、数ヶ月に一回くらいでもチェックしてみてくだされ。
で、先月末に地元南カリフォルニアで行われたアブダビ大会の取材も手伝わせて頂いて、それはこのたび発売された「ゴング・グラップルvol2」の中身に反映していると思うので、よければご購入のほどを。アブダビ記事以外でも、マニア的にはかなり濃ゆい内容になってるんじゃないかと。いつか南カリフォルニアで修行してみたいと思っている方は、ぜひこの号の道場マップを保存してくだされ(これ、自分含め記者たちが実際に道場ひとつひとつに足を運び、どういう環境でどういう練習が行われているかを確かめた上で書かれてます)。
ーー
宣伝はそのくらいにして、今回はそこでもあまり扱えなかった、マーシオ・フェイトーザの戦いについてちょいと書いてみようかと。いや、俺はこの人の友人でもないし、インサイド情報とかも別に持ってないんですが、個人的に思い入れがある。彼は自分が日本でお世話になったグレイシー・バッハ東京の植野先生の師匠でもあるし、何より俺はこのマーシオの教則Vからめちゃくちゃ多くを学んだ。紫帯を取れたのはこのVのおかげだったと今でも思っている。マーシオと言えば「上を取って膠着」というイメージが強いし、実際そういう試合が多い。でも当然下からの技術も完璧にマスターしている人であることは、この教則Vにおける、彼の簡潔かつ最大効率な技の説明からも容易に想像できる。
さて、そのマーシオ、今回は早くから66キロ以下級への参加が発表されてた。「(76キロ以下級の)ガルシアやジャンジャック(当初は参加予定だった)から逃げたんだろう」なんて声もあったけど、本人によると、単に同じバッハ系のヘンゾが76キロ以下に出るから、自分が減量することにした、とのこと。今回のアブダビ、仲間同士によるワークが厳禁だから、以前ヘンゾと当たった時のような試合はできないというわけでしょ。
この減量、自分が事前に話したアメリカ人選手達が、口を揃えて「レオジーニョは手強いけど、マーシオは絶対に減量で弱ってるはずだから怖くない」と言うほど無茶な話だと思われたんだが、大会前日の計量で登場したマーシオの体は、なんちゅうか超完璧。周到な減量メニュ−を二ヶ月間完璧に実行したとか。さすがマシン。エディ&ハビの欠場、レオの明らかな体調不良もあって、一気に優勝候補筆頭へ。
大会第一日。マーシオ、一回戦はテイクダウンで危なげなく勝利。どうせ勝つと思ってたんでよく見てなかったんだけど、「点を取ったらとにかく抑える」というマーシオ戦法が炸裂してた模様。(以下の試合の記述もかなりうろ覚えなんで、詳しくは来月出るDVDでも見てね)
二回戦。こないだのKOTCで阿部選手に勝って新王者となったスーパースタミナレスラー、ユライヤ・フェイバーと。さすがにスタンドレスリングでは分が悪そうだったけど、引き込みスイープ、シットガードからの足絡め、ハーフからの攻撃等で積極的にしかけ、やがてバックを奪ってチョーク。ユライヤの身体能力ってKIDみたいなもんなんで、それを柔術技術で翻弄するのはやはりすごい。
準決勝。最近米国にやってきて、ヒクソン道場に所属してるハニ・ヤヒーラと。彼はプルーマでも戦えるくらいのちっちゃくて若い選手なんだけど、2年前のアブダビ予選でパイシャオンに勝って優勝してる(その後ジャングルファイトではリベンジされたが)。ちなみにこのヤヒーラは、試合態度にやや問題があったり(こないだのジェフ・グローバーとの試合では「ジェフが握手の手を差し伸べているところにいきなりタックル」で点を奪って勝ったし、今回のアブダビの2回戦でヴァグネイに疑惑の判定で勝った後も、ヴァグネイを指差して笑ったりした)、ヒクソンが常にセコンドについてレフを威圧してるように見えたり、あと単にすごく強いので、西海岸柔術界の一部では批判の的になりがちなとこもある。なんにしても今のところ、ハニ・ヤヒーラ&クロン・グレイシーの「ヒクソン道場悪ガキヒールコンビ」が、誰もに好かれるジェフ・グローバー&ビル・クーパーの「パラゴン新世代ベビーフェイス軍」を押して・・・やべ、なんでもプロレスにしてしまう癖が。
それはともかく、マーシオvsヤヒーラの準決勝は延長にもつれ、延々と続くテイクダウンバトルに。体格で勝るマーシオが、粘り強く何度もシングルレッグを仕掛けていくんだけど、「3秒間相手の背中を付けてコントロールしないとテイクダウンは認められず」というルールを最大限に使ったヤヒーラが、体勢を崩されつつもことごとく亀になって逃れる(ルールの穴で、3秒間背中をつけることなく、いったん亀になってから、自らガードに入るとポイントは取られない)。このヤヒーラもまた、異様なくらい粘り強い。
この試合に関しては、マーシオは同じ足へ同じ形のタックルを繰り返しすぎた感じ。一気に倒すようなタックルじゃなく、足にしがみついてから、じっくり倒してゆくようなやつだから(さすがに入るタイミングは素晴らしいんだけど)、ヤヒーラみたいなタイプに粘られ続けると、いかにも消耗度が大きそうに見える(見えるだけ。俺テイクダウン自体やらないからよく分からない)。3秒ルールの特殊さも裏目に出たか。
延々と延長が続くうち、なんかの拍子でマーシオはヤヒーラの下からのギロチンに捕まってしまう。そうとうキツかったんだろう。腰を浮かせてスペースをつくり、頭と両足で3点立ちになって、相手の足を押し下げてパスガードすることで逃れようとするマーシオ。そこですかさずヤヒーラが体勢を入れ替えて上に。ギロチンから逃れたかったが故に、完璧だったマーシオのバランスが崩れた・・・。マーシオはなんとか亀になるも、ヤヒーラに2点(後にマーシオは不満を述べてた)。そのままヤヒーラが「逆マーシオ戦法」=「インサイドガードでの押さえつけ」で試合終了。果てしない消耗戦の末の、あのスイープの瞬間。精密機械が一瞬狂ったとこを見た気分だった。
翌日の3位決定戦。相手は当初完全にノーマークだったカナダ人、マーシオと同じような体型(いや、もっとひょろ長か)のロブ・ディセンソ。5分経過してポイントが入るようになってから、マーシオはタックルで上に。このままインサイドガードで抑える必殺パターンモードに入って、3位確保かと思いきや、まさかのヒップスローでディセンソがマウント奪取。マーシオは脱出するものの4−2。やべえ。
いきなりアグレッシブモードに戻ったマーシオ(笑)、テイクダウンを何度も仕掛け、粘るディセンソを倒し、おさえ込んで同点。さらにあえて(?)スタンドにもどって、もう一度タックルに入って、またも組み伏せて逆転。そしてそのままインサイドガードで渾身の膠着。すごい顔で必死でおさえてた。ミもフタもない勝ち狙い。(悪)名高きマーシオの膠着だけど、今回ばかりは俺の心に響いた。試合終了。マシンじゃなくて人間マーシオさん、三位おめでとうごさいます。
試合後のコメント取り。準決勝の判定には不服そうだったものの、さわやかに話してくれたマーシオ。当面の目標は、試合に出ることよりも、新しく作ったグレイシーバッハUSAを軌道に乗せることだとか。この時、自分がどれだけマーシオの教則ヴィデオから恩恵を受けているかを伝えることができたことが、個人的にアブダビ大会のハイライトだったりする。バッハUSAがいい道場になることは、別に俺が祈らなくてもすでに約束されていることだろう。
ーー
今後も(頻度はがくっと落ちるかもしれんが)出来る時には更新するつもりなので、数ヶ月に一回くらいでもチェックしてみてくだされ。